祈るように願う。





今日は妹の結婚式。


感無量、とはこのことか、と。










ぶっちゃけ、妹の学費は、私が出してきたよ。
お弁当だって毎日作った。
黒くて汚いものを妹が見ないといけなくなりそうになったら、
全身で抱きしめて目を覆って耳を塞いできてあげた。


私・・・というか、環境がすごい渦に巻き込まれていったとき、
妹はまだ中学に上がったばかりで、6歳離れてるから、
絶対に守りたいと思ったし、この子は何も知らなくていい、と思ってた。
弟もいたけど、一つしか違わないし、男だから、おのれで何とかせぇ、
ってほったらかしてた。でも妹は違う。
どんなに辛くてもしんどくても、妹がいたから、守るべき人間がいたから、
歯を食いしばって頑張れたし、乗り越えられた。
正直、何もかも投げ出して(投げ出すも何も私が背負う義務なんて本当はどこにもないのに)
逃げ出したいと思ったこともあったし、首吊った方がラクなんちゃうん、って
後ろ向きなことしか考えられない時期もあったけど、
そんな時も、妹の存在で救われた。
さすがに高校生になったら、妹も色々分かってきてしまって、
私もバイトするーって、そんで、初めて貰ったお給料で、
私にご飯をご馳走してくれて、泣きそうだった。
彼氏が出来たらまず私に紹介してくれて、
結婚の報告も、赤ちゃんができたってことも、親よりも先に、
私に言いにきて、妹なんだけど、あぁ、何か娘のようでもあるんだな。


頑張れたのは、前を向けたのは、上を目指せたのは、妹のおかげ。






結婚式。
友達の結婚式とかとは違う、親族の位置で見る新郎新婦。
こんなにたくさんの方たちがお祝いして下さることに感謝。
式中に流される音楽も、今時の若い子が選ぶ音楽で、
キレイに着飾った女の子たちの高揚した頬や、ちょっと音の外れた「3月9日」、
旦那さんの仕事先の社長さんの低くて柔らかい声、
お花屋さんの友達が作ってくれたテーブルの上の花束、
ケーキ屋さんの友達が作ってくれたウエディングケーキ、
何度も何度も、お互いの顔を見て微笑み合う妹と旦那さん、
全てが幸せ色に包まれていて目眩がしそう。


あんなに苦しい思いをしたのは、きっとこの幸せを見届けるため。


最後に、新婦からご両親への感謝の手紙を〜ってなるとこで、
妹が、
「両親よりも先に、まずお姉ちゃんに手紙を読ませて下さい」って。


泣いたよ。
生きてて良かったって、生まれてきて良かったって、
この子のお姉ちゃんで良かったって、心から思った。
私たち家族にしか分からない言葉で、私のことを労ってくれて、
ありがとうと何度も言ってくれて、
それを言いたいのはこっちなのに。


この手紙は一生の宝物です。




純白のドレスを着た妹を見ながら、
誇らしくて、嬉しくて、でも淋しくて切なくて、
今からは、何かあったら私じゃなく、旦那さんに頼るようになるんだと、
守ってもらうようになるんだと思ったら、やっぱり淋しくて、
でもそれ以上にやっぱり嬉しい。






どうか永遠に、幸せって言葉を探さなくてもいい人生を送れますように・・・。


大好きな妹へ。
結婚おめでとう。