フィクション。
大事なもんが一つ増えるたび、それを失くした時に感じるやろう淋しさを考えてしんどくなる。
何で「失くす」ん前提なんやろな。
これ欲しいて、あれ欲しいて、望んでも手に入らんかった時期長過ぎて、
欲しいもんあっても、どうやって望んでええんか分からん。
どうやって欲しいて伝えたらええんか分からん。
あんまし言葉知らへんし、上手い言い方出来へんからよう誤解されるし、
それでもええわて、俺一人悪者んなって済むんやったらそれでええわって。
失くしたないもんの中に、あいつら入れたないねん。
失くした時のこと考えたないねんもん。
やからいつでも失う覚悟しとかなって。
未来永劫なんか無いんやって最初から俺んもんやないんやって。
今まで誰からも、一度も言われたことあれへんから、きっとこれからも一生誰からも言われへんねやろうけど。
時々、泣いてる自分のその泣き声で目が覚める。
なぐさめるのは幻想の言葉。
『俺はどこにも行かへんよ』
虚しさに余計に涙が滲むのに。
『俺はどこにも行かへんよ』
望むことすら出来へん自分の孤独に、笑って泣いた。
指切りげんまん、最後にしたんはいつやったか、
針千本飲むんは平気やから、失くしたないもん、俺から取らんとって――――――。